近況 NSX編。。

こんにちは。

ここ数日
預かり車輌が増えすぎて
久しぶりに大混雑でした。

昨日数台納車して
やっと少し平穏になったけど
やっぱり、手のかかる修理作業などが増えましたね。

色々整備依頼で預かりのインディイエローNA1・Rがあるんですが
このNSX-R
すごく珍しいマフラーが付いていて
サイレンサーに
Fujitubo W GERMANY と刻印されているんですね。
ずいぶん前
フジツボのカタログか資料か何かで
こんなレイアウトのNSX用マフラーを見た事はあったけど
現物を見るのは初めて。

触媒後からサイレンサーまでの配管引き回しが迷路のように入り組んで長く
よくもまあ
このスペースでこれだけ配管長をとったものだ。

マフラーって
太すぎて短すぎる配管レイアウトにすると
著しく低速トルクがなくなります。
リアエンジン車輌の場合
「長さ」を維持するのが難しいから
大多数の社外品マフラーにすると中低速トルクダウンを招くんですよね。

でも
さすがにこのマフラーはやり過ぎでしょう・・
これでパワーは出るのかな?
と思って
シャーシダイナモを回してみると
ビックリの320馬力弱。
へぇ。こりゃ驚いた
これでもちゃんと排気は抜けているんだ・・

排気音はウルトラ静かで殆どノーマルマフラーくらい。

でも
4本出しのテールがバンパーのアンダーに当たって溶けるから
今回はKSPマフラーに交換依頼です。

KSPマフラーは
フロントバンクの触媒を180度反転させて出口を右向きにして
前後バンクを集合させてから
φ60のパイプで距離を稼いでから2個のサイレンサーのセンターに入れるという
ワガママなレイアウトだから
フロントバンクエキマニの触媒取付部の関節部品を反転させる必要があるので
KSPエキマニとセットでの使用を前提に作ったモノでした。
こうして
前後バンク排気を混ぜて細めの配管で引き回すと
独特の集合管サウンドと中低速トルクが得られるんです。

だけど
今回のNSXには無限のエキマニが組まれていて
出来ればこれはこのまま使いたい・・とのこと。
じゃあ、フロントバンクの関節部をワンオフで作って対応しましょう。
ということにしました。
それにしてもこのエキマニ
おそらくは無限の最初期の頃のモノですね
集合部は現行型の方が良く出来ていると思うけど
遮熱板の取付はこの頃の方が良く出来ている。

エンジンを始動してみると
うん、いつものKSPマフラーの音ですね。

で、さっそくパワーチェック
フジツボに負けたらマズイぞ・・とドキドキしながら計測してみると
これがまあ
笑っちゃうくらいほぼ同じ。
何度か計測して
上回ったり下回ったり。

KSPマフラーは
チューンドC32Bに組めば350馬力オーバーまで対応を確認してあるから
静かでパワーの出るマフラーとして自信があったんだけど
グルグル迷路のFujituboも
ちゃんとパワーは出ていたんですねぇ。
ただ、あの迷路マフラーはメチャメチャ重たいけどねぇ・・
今回 リア周りで10キロ以上の軽量化になったでしょう。

まーぶるさんのNSXで
ナビ交換依頼。
オーナーさんは今まで純正デザインに拘っていたんですが
カセットデッキが壊れて
値段は20万円以上するけど新品発注!をしたんだけどメーカー欠品。
今さらカセットデッキに数十万かけるのは止めましょうよ・・
というわけで
2DINの一体型ナビへの換装作業にしました。

ところがまあ
今まで付いていたナビを外すのに一苦労。。
一体配線がどうなっているのか調べつつ
一度ノーマル状態に戻してから作業開始したので苦労しました。
やっと完成
で、夕べ納車引き取り・・だったんだけど

豊泉さん ETCはどこに移動したんですか?と言われ
へ?ETC??
そういえば
旧ナビと連動タイプだったから
全て取り外して あとできれいに配線繋ぎ治そうと思っていたんだ・・
マズイ!付け忘れた!
というわけで
再び分解してETC取付をやり直し。。

お待たせいたしましたが
無事納車。。

先日
ATのフル分解整備を行ったんですが
これをもんきーさんのNSXに積みました。

通勤マシンのATが滑り気味だとの事で
だいぶ前に依頼されていたんですが
現車のATを分解整備すると
かなりの長時間クルマが不動になるから
中古のATをフルOHして搭載する事にしました。
クラッチは全て交換し
ついでにファイナルも4.4に変更して
スペシャルなATを1機用意しておいて
車輌を預かって換装。

さすが
クラッチが全て新品で油路も全て清掃したATは快調そのもの。
明らかに変速が滑らかだし
新車コンディションに戻った感じですね。
おまけに
ノーマルの4.0ファイナルから4.4ファイナルに変更したから
加速力は確実に向上しました。

この
AT大整備作業
メニュー化して受け付けたいんだけど
なにせ
ATを分解すると部品が大量にバラバラ出てくるから作業スペースが必要で
所要時間もかなりかかるから
現在のKSPの混雑状態だと
なかなかATのフルOHは受け入れが難しい状態です。

もうちょっと作業の効率を良くして
ATのフルOHもメニュー化したいんですけどね。

なにしろ
NSXはATの方が台数が多いわけで
毎年数台は
ATのトラブルで立ち往生になる事例が出ていますから。

ATは
ノーメンテナンスでずっと走るようなイメージがあるけれど
内部には油圧動作の摩擦クラッチを持っていて
変速するたびに着実に消耗しています。

10万キロも走れば
クラッチディスクはそれなりにダメージが進んでいるのが普通で
新車時に比べれば
変速フィーリングは確実に悪化しています

この整備作業
何とか確立していかなきゃならないんですよね。