パワステ浸水。。

こんにちは。

KSPファクトリーは相変わらずの状況ですが
気付けば10月が半分過ぎちゃって
そろそろ年末進行の気配。

相変わらずパワステの修理依頼は多いのですが
先日 長崎県のType-Tに乗るオーナーさんから
パワステ動作不調の相談があって
話を聞くと
ディーラーでトルクセンサーエラーと診断されたそうで
修理が可能なら・・と入庫してきました。

KSPに佐世保ナンバーのNSXが入るのは3台目かな?

パワステ修理以外に
スピードメーターの表示が実速より低い症状が出ている修理と
後期ABS換装の依頼。
なんとまあ
ウチ向きの仕事なんでしょう(笑)

車輌が到着して
まずはパワステエラーの検証

すでにパワーアシストはしていないので
コンピュータをリセットしてエンジン始動してみると
一瞬アシストが入ってすぐにエラー表示。
エラーコードは22だから
トルクセンサーじゃなくて
パワーユニット系のトラブルで
コンピュータ側 またはラック内部のモーター関連が疑われるので
まずは
後期のコンピュータを仮付けして検証してみると
やはり、アシストがガクガク変な入り方をしてエラー22となる。

と言う事で
おそらくはギアボックスのモーターに何か起きているんだろう・・
そしてそれは
水の浸入が可能性として高いな・・と思ってリフトに上げて
ラックブーツを見ると見事にパックリ割れてる・・

こりゃ
ラック内部の浸水だろうなぁ・・と思い
パワステラックを外し
治具に載せて分解してみる。

ターミナルボックスを開けると
いきなり錆水がジャバッと出てきた・・
やっぱり・・
でも
以前修理した浸水ラックに比べると腐食は軽い。
たぶん
水が入ってそれほど長期間経っていないんだろう

引き続き分解していくと
やっぱり
モーターが水浸しで錆が激しい・・

でも
実はこれは かなり危険な状態です。

モーターとマグネットのクリアランスは非常に狭いので
もし、このまま錆が進行して
錆が剥離して隙間がロックしたら・・
ハンドルもロックしてしまうので
操舵が効かず 大惨事を招いたかもしれません。

今回は
パワステの不調を起こして早々に修理となったから
ハンドルロックの惨事は避けられたけど
これはホントに怖い。

ラックにモーターを内蔵している電動パワステにとって
水の浸入は致命的で
これを防いでいるのは
ラック両端に付いているゴムブーツだけなんですよね。
だから
あのブーツは 実は非常に重要な部品で
KSPでラックOHする時には必須交換にしています。

今回のパワステは
浸水して
モーターのブラシが接触不良になりEPSエラーとなったため
早々に修理で入庫してくれたので
ラックを全て分解し
旋盤で回してローターの錆を落とし
全ての部品を分解清掃 乾燥させて組み立てて完治となりました。

ちなみに
モーターの両端ベアリングは
普通の工業用単列深溝ベアリングで
ブラシ側はグリス飛散があるとトラブルを起こすので
在庫しておいて必要なら交換しているんだけど、
今回
ギア側ベアリングに浸水して動作不調だったので
ベアリングを交換しようと思ったら

なんと・・内径が36ミリの特別品みたいで入手不可能・・
品番はNTNの6907LLBと刻印があるんだけど
内径が35じゃなくて36・・
こりゃビックリ
ギアシャフトの直径に会わせて特別あつらえなんだろうけど
インナーレースの内径だけ大きく作ってある。

NTNに何個ロットで作ってもらっているのか分からないけど
ただでさえ
生産ロットが少なくて特注扱いなのに
こういうことをしちゃうんだねぇ・・
まあ、特注のボールネジまで使ってるんだから
今さら
ベアリングの特注仕様くらいどうという事はないのか・・

でも
今回みたいに浸水ラックを修理しようと思うと
代替え部品がなくて困るよな。。
今回は
ジャンクパワステ部品から外した
程度良好の中古ベアリングがあったので
これに交換して対処しました。

水さえ入らなければ
ラックの内部はそれほど過酷な状況じゃないから
ベアリングなんてずっと持つと思うけど
浸水はやっぱり致命的です。

何はともあれ
ラックは修理完了でパワステは復活しました。
引き続きABS換装を行って
メーターの修理を試みてみることにします。