NSX メーター修理 マニアックだよ!

こんにちは。

このところ
メーターの修理依頼が度重なったんだけど
今回依頼されたタコメーター不動はちょっと手強かった。

オーナーさんの話では
走行中 タコメーターの針がフッと0に落ちて
それきり動かなくなったとのこと。

車輌側に原因がある可能性もあるんだけど
オーナーは自分でメーター脱着が出来るとのことなので
とりあえず
メーターを単体で外して送ってもらった。

届いたメーターAssyを分解し 基板を目視チェックすると
例のごとく
電解コンデンサーからの液漏れがかなり進行している。

で、基板とパネルを組み合わせて
検証機DANに載せてパルスを入れてみるんだけど
やはりタコメーターは動かない。

スピードメーター側は?とチェックすると
20キロほどで針の震えがあって180キロ域ではかなり低めを指す。
これは
良くある症状なのでついでに修理することにするんだけど

正直
タコメーターが治せるか自信が無かったので
まずはタコメーター基板から修理を試みる。

メーター不調の原因は
ほとんどがコンデンサーの液漏れで
漏れた電解液で基板が損傷している事が多いので
コンデンサー交換だけじゃ治ってくれないことが多いんです。

NSXのメーターはかなり旧式で(そりゃ、設計は昭和でしょうから)
集積度も低いので我々でも手が出ます。
タコメーター側には
メーターの駆動回路部分 球切れや半ドアのワーニング回路
など、パートごとに分かれているから

ICやトランジスターを含めて怪しい部分の部品を基板から全て外し
基板を清掃 パターンの修理を行って
再び部品を半田付けして電解コンデンサーは全て新品交換。

症状が軽ければこれで治ってくれるんだけど
今回は針がピクリともしない・・

さらに調べていくと
トランジスターが1個壊れていることが分かって
交換したら正常になった。

スピードメーター側も修理して
再びDANに載せてチェックすると
動作は全て正常になった。
各回転数&速度域でエラー補正を行って作業は完了。

先々月にもタコメーターが
突然動かなくなったということで
修理依頼品が送られてきたんだけど
これは抵抗がショート状態だった。

どうも
スピードメーターよりタコメーターの方が故障事例は多いみたい。

ちなみに
この手の修理作業を行う時
ハンダ吸い取り機は必須工具です。
エンジンコンピュータからROMを外す時なんかにも使うけど
半田ごてみたいに先端が加熱されて 基板のハンダを溶かし
スイッチオンでバキュームでハンダを吸い取る。
これが無いとICは外せないんだよねぇ。


それと老眼鏡!
若い頃は細かい物も全然見えたんだけど
最近は
電子部品に刻印された文字が霞むんだよねぇ・・
抵抗のカラーコードも
1/8Wとかの小型だと滲んでよく見えなかったりする・・
そこで老眼鏡をかけてみると
これがまあ 悔しいくらいよく見えるんだなぁ。。

まあ、日常生活では全然困らないレベルだから
いいんだけどねぇ・・