アルミフレームは?!NSX作業 近況
こんにちは。
車検がらみのパニックも去って預かり車輌はほとんど納車してファクトリーでの預かりNSXは10台未満と言うところ。
久しぶりに駐車場の中が広く感じます。
まあエンジン関連の重作業がけっこうあるので進行は相変わらずなんですけど。
最近ではいきなり4.4ファイナルの6速を積んじゃう人が多いんですけどR仕様の5速はまったくクセが無くて乗りやすくアキュラからだと劇的なフィーリング向上になるのでお勧めなんですけれどね。
初期型のアキュラはなぜか、2.3.4速のギア比が上に行っているので1速で発進して2速に入れたとたんにドロップ感を感じて3速以降の加速も国内仕様と比べると重いんです。
これを国内仕様のギア比に変更してファイナルギアをRの4.2にするのが10年くらい前は流行ったんだけどいまでは6速ミッションが存在しているのでマニアックな人は6速に行っちゃうんですね。
ちなみにこのアキュラ用の2.3.4速ギアを使って4.6ファイナルを組むと2.3.4.5クロスミッションが出来るので一度仕立てたことがありますが、これまた4.4ファイナルの6速ミッションの存在があるので後に行う人はいませんでした。
今回のアキュラはクラッチも交換したんだけれど過去の作業の不備が発見されたりして色々ついでに修理して完了。
近所を試乗してみるとうん、体感加速は十分速くなっているしやっぱり普通に乗りやすいですね。
今回LSDもイニシャルトルクの高いR仕様に組み換えたんですがスピードメーターギアがずれてました。
このリングギアはデフケースに圧入されているんですが時々外れかかっているミッションがあります。
このギアが回しているのは軽いスピードセンサーだけだから普通に考えて緩んだり外れたりするわけ無いと思うんだけど実際 長期間の使用で外れかかってミッションケースに当たってケースを削っていたことがありました。
これが怖いのでデフをバラす時には最強のネジロック剤を併用するんですけどね。
先日TsunoseさんのType-Rでシート表皮の張り替えを行いました。
Tsunose号にはレカロのSP-Aが組んであって色が黒だったので表皮を赤の合皮に座面と背面は赤のアルカンターラに張り替え。
NSX-RとRECAROのロゴも刺繍で入れてもらったこういう事も出来るんですねぇ。
当初NSX-RにはこのSP-Aが採用される計画だったらしいけどやはり、フルバケットのSP-Aは戦闘用シートなので背面を寝かせて座面も広げてクッションも分厚くしてNSX専用のシートを作ったんだそうです。
実際色々なシートを見るけれど純正シートはロングツーリングでも疲れないしその気になれば座面クッションが簡単に外せるのでサーキットでは深く座ることも出来るし万能なんですよね。
何よりもデザインがクルマにマッチしている。それでもTsunoseさんはSP-Aが好きみたいですけど。。
このNSX修復歴アリを承知で買ったそうですが5年程乗って正常な状態にして今後も乗っていきたい・・と言うオーナーの希望でフレームを再修理することになりました。
事前にアライメントを計測してみるとホイルベースも出ていないしキャスター角が少なすぎる。
つまりはフロントフレーム先端方向が下がっていると予想できるので予定を組んでフロント回りをバラして修正機に載せて検証。
状況はフレームが左右に開いていて先端に行くに従って下がっている。
なるほどそれでキャスターが出ないわけか・・
それにしてもイヤな変形の仕方でフレーム断面が菱形に潰れているし 特に右フレームが顕著。
治ると思うけど 苦労しそうだな・・
と思っていたらさすが慣れたメカニックさん、見事に変形は修正できていた。
このNSX過去にどんな事故を経験しているのかは今となっては分からないけどフロントが下がってるんだから変形の具合から見てガードレールに潜ったかトラックにでも追突したか・・
修理は出来たはずなんだけど依頼した工場が悪かったんでしょうね
フレームにダメージが残ったまま外見を完成させてしまって納車になってしまったんでしょう。
NSXに限らずこうして修理が完全ではない状態の車輌が中古車には多々存在しているわけですが
今回のようにオーナーに恵まれた車輌は再修理を行って本来の性能を取り戻せることになります。
このNSXもフレームのダメージは修正が進んでいるので完了後アライメントをチェックして問題なければ納車となります。
毎年何台もNSXの修理を受け入れていますが今年もすでにフロントフレーム切断交換の
ヘビーコースがすでに2台入庫しています。
今のところ予算さえ組めればボディの完全修理は可能ですが、やはり気になるのは
今後のフレーム部品の供給ですよね。
なんとかメーカーさんが永続してくれると良いんですけどね。