NSX-NA2電スロ制御 LINKセッティング

こんにちは。
今日は天気も良くドライブ日和・・・
午前中ご来店のお客様も、朝ドライブの帰りに寄られたとのことです(^-^)

さて、変わらずNSXの作業依頼は多数頂いておりますが、

本日は新しい試み!

NSX-NA2の電スロをフルコン制御です。。

こちらの車輌は昨年販売させて頂いた車輌で、
納車前に追加作業でお車を仕上げてほしいとご依頼を頂きました。

まず、後期ABS換装、6MTオーバーホール/ファイナル変更、02Rメーターなどを行い
ワイヤースロットル化もご相談頂いたのですが、当社も電スロ制御をワイヤースロットルに変更は
何台か行いましたが、確かにアクセルのレスポンス等は良くなりフィーリング良く乗れる仕様になります。
ですが、これからは時代に逆行するのではなく、新しいものを新しい技術で制御していかなければと
思っていたので、電スロのままでワイヤースロットルのようにフィーリングを良く出来るかもしれない・・・・
ただ当社もまだ実績がない仕様なのでテストしながらとなりますが・・・とご相談したところ、
快くお任せいただけました。
ありがとうございます。。

定番のワイヤースロットル化これも選択肢としては良いものですが、
加工も多くそれなりのコストがかかるのと、電スロになって軽量化されていた分が
少しの重さですが重量増になります。。笑

電スロならAACを加工して付ける手間がいらないのと
価格を抑えて、制御変更の選択肢を増やす意味でも良いのかと。。

純正部品の欠品、製廃などで、供給面での問題がここ数年心配になってきているので、
今後の事を考えると今やっておくべきタイミングだと思います。

ただ、NSXの電スロ制御でワイヤースロットル並みかそれ以上のフィーリング。。
誰もやっていないのか情報が無い・・・

問題はステッピングモーターを採用している純正スロットルのようでして・・・
これを完璧に制御できるフルコンが存在しません。。

MOTEC本社に問い合わせしてもらいましたが、
ステッピングモーターオプションはあるらしいのですが、お勧めは出来ないとの回答・・・
やはり何が起きるかわからないのでしょうか?

悩んだ結果、スロットルボディはDCモーターに交換することにして
昨年の暮れからスロットル探しをして、選んだのがZ33のスロットルボディ。。

アダプター製作は必要ですが、純正より軽量コンパクトです。

スロットル内径はφ70 。。。
純正の内径はφ64で、拡大加工してもφ66なので少し大きめとなります。
最近はスロットルを2個使用している車が多く、NA2の純正よりも口径が小さい物ばかりで
選択肢があまり無かったのもあります(^^ゞ

専用のアダプター製作。。

サージタンクの加工とついでにサージオーバーホールを行い取付です。

アダプター取付と・・・

スロットル取付です。

第一台目ですからアダプターはほぼワンオフですね。。
口径が大きくなった分中心を少しずらしています。

純正のエアークリーナーから、チューニング車輌向けのKSPエアークリーナーKITに交換です。

車体側の加工はこれだけであとはフルコンです。

アズニュー インジェクター洗浄機

今回、エンジンメンテは行っていないのですが、せっかくなのでインジェクタークリーニングも実施しました。
セッティングを行うので各部をなるべく良い状態にしたいですもんね(^-^)

※現在のエンジンメンテには、インジェクタークリーニングをメニューに組み込んでいます。

そしていよいよ・・・

電スロの制御がキッチリ出来る性能と、本体や必要部品のコストなどを考えて
今回初めて 「LINK」 を使用してみることに。。
他の車種では色々実績があるようですが、NSXは情報が無いので色々と手探りです。。

ハーネスを製作して、
スロットル開度センサー、アクセル開度センサーも2系統入れてフェイルセーフも入ります。

ひたすら配線図とにらめっこでしたが、無事にエンジンに火が入り
正常にアイドリングするようになりました。

チャンバーボリュームコントロール正常。
A/Cアイドルアップも正常です。。
まずは、第一、第二、第三段階位まではクリアしました。

冷間始動はこれから時間をかけて詰めていきますので、
まずは、シャシダイで全開領域のセッティングを行います!!
このようなセッティングを行う時はシャシダイがあると、ほんと便利ですね♪
全開領域をセッティングするのに公道では出来ませんからね(^^ゞ笑

LINKはリバースゲートコントロールも対応しています。
頭がいいですね(^-^)

さらに、TCSを生かすことも出来ますが、今回は使用しません。。

セッティングを詰めていくと出力もどんどん上がっていきます♪

2枚目、3枚目のデータはトルクが異常に上がっていますが、
下のギアで踏みすぎた為、跳ね上がってしまいました笑

気温、湿度も高めの日だったのですが、
結果・・・馬力は333.9PS トルクは36.5kgmでした。。

この結果はノーマルのC32Bだと過去最高かもしれません。
トルクもかなり出ましたね。。

純正の電スロで殺されてしまった、C32B本来の力を引き出せたのかもしれません(^-^)

カムもノーマルなので、7000rpm以上はドロップしますが、下がりきった8000rpm付近でも
310PS以上出ています。
エンジンメンテを行う時にハイカムを組んであげれば、340~350PS位は狙えそうですね♪

LINKのおまけ機能で、タコメーターにオープニングセレモニーのニードルスイープが付きました笑
タコメーターだけですが・・・笑

実際乗ると、純正スロットルとはまるで別物でかなり乗りやすくなり、
ピックアップも最高に良くなりました。
これはワイヤースロットルより良いかもしれません。。

ゆっくり発進して、完全にクラッチが繋がった後の2000rpm付近は、アクセルの反応がシビアなので
あえて少し鈍らせてあります。
純正フライホイールならそんなには気にならないかもしれませんが・・・
これはそれぞれの仕様で乗りくらべてみないとですね。

全開領域のセッティングは完了したので、あとは始動時と、始動直後。。
街乗りのセッティングをもう少し煮詰めてから、ご納車させて頂きます!!

もう少しお待ちください。。

NA2のLINKセッティングの費用ですが
約70万円(今回紹介したエアクリKIT、インジェクタークリーニング、サージOHは別途オプション)

参考に、過去のワイヤースロットル化費用は・・・
約80万円

上記金額は参考費用です。
LINK、ワイヤースロットル化のどちらも、追加交換するパーツや作業によって金額は変わります。
また、純正部品の価格改定などによっても、上記金額から変わってきますのでご注意ください。

新しい技術や制御を使って、過去の技術よりも費用を抑えられ乗りやすさやフィーリングも良くなるのは
選択肢としてはとても良いですよね。。

ちょうど、ワイヤースロットル化を考えているオーナー様もいるかと思います。
LINKを使用した電スロ制御。。
新しい選択肢としてKSPでは提案します。